長野県民の漬物愛は日本でも屈指。以前ご紹介した坂城町のところでも触れているように、それはそれは、たくさんの種類の漬物を作ります。
しかも、家ごとにこだわりがあるのはもちろん、どの地域にも漬物名人と呼ばれる方がいるようです。
そんな漬物にうるさい県民たちがそわそわする季節といえば、やっぱり秋でして、某年10月下旬、長野県安曇野市を取材で訪れた時、ふと立ち寄った地元スーパーマーケットのツルヤ(なぎさ店)さんは、まさにその祭りの最中でした。
もうね、入口を入ったところから、どーんと「通」な漬物コーナーがお出迎えしてくれるわけです。
どこが通かというと、並んでいるのが〇〇漬けなどの製品じゃないのです。これから自分で作る人のための材料(調味料)がメーンで、「いりぬか」、「塩」、「ざらめ」、「酢」、「味噌」、「醤油」などが大袋&大容量ボトルで山積み状態!。
よく見ると、大容量の漬物樽だって売っています。さすがにプラスチック製ですが、手前のS40型というタイプは、白菜なら10玉、大根は45本ほど入るようです。これが業務用じゃなくて家庭用だというのが長野らしいですね。
店の入口からしてこうなのですから、漬物関連売り場の充実度もスゴイですよ。「ぬかみそからし」とか「ねばる漬物こんぶ」とか「ベジぴっくる」とか…。首都圏では見たこともないようなものがズラリ。
「煮干しいわし」と「漬物用みそ」が並んでいるあたりも、おぬしデキるなと呟いてしまうわけです(笑)
■長野らしい売れ筋といえば?
せっかくなので、漬物以外の注目点をお店の方に聞くと、ニッコリ笑って案内された売り場が、長野というか信州名物というべき「おやき」コーナー。
これが結構種類があるもので、「野沢菜」、「かぼちゃ」、「なす」、「きんぴら」、「つぶあん」、「くるみ味噌」などなど、いったい何種類あるんだ? というほどの充実ぶりでした。
以前ご紹介した「塩(丸)イカ」もありましたし、「蜂の子」、「いなご甘露煮」あたりが揃っていました。
そういえば、大昔に県内の伊那界隈を取材した時、地元の名物店で「ざざむし」とか出されてしまい、困惑したことを思い出します。