長野の秋冬は、おやきを食べつつ漬物談義に花が咲く

食文化

長野県民の漬物愛は日本でも屈指。以前ご紹介した坂城町のところでも触れているように、それはそれは、たくさんの種類の漬物を作ります。

漬物王国塩の道で垣間見た、漬物文化とお茶の関係
別記事でおしぼりうどんをご紹介した長野県坂城町の人口は約1万4000人。基幹産業は工業で、精密機械を作っている中小企業が多く、「石を投げれば社長に当たる」町だと言われています。 小さな町で工業が発展したのは、戦争中疎開してきた工場がそのまま...

しかも、家ごとにこだわりがあるのはもちろん、どの地域にも漬物名人と呼ばれる方がいるようです。

そんな漬物にうるさい県民たちがそわそわする季節といえば、やっぱり秋でして、某年10月下旬、長野県安曇野市を取材で訪れた時、ふと立ち寄った地元スーパーマーケットのツルヤ(なぎさ店)さんは、まさにその祭りの最中でした。

もうね、入口を入ったところから、どーんと「通」な漬物コーナーがお出迎えしてくれるわけです。

どこが通かというと、並んでいるのが〇〇漬けなどの製品じゃないのです。これから自分で作る人のための材料(調味料)がメーンで、「いりぬか」、「塩」、「ざらめ」、「酢」、「味噌」、「醤油」などが大袋&大容量ボトルで山積み状態!。

よく見ると、大容量の漬物樽だって売っています。さすがにプラスチック製ですが、手前のS40型というタイプは、白菜なら10玉、大根は45本ほど入るようです。これが業務用じゃなくて家庭用だというのが長野らしいですね。

店の入口からしてこうなのですから、漬物関連売り場の充実度もスゴイですよ。「ぬかみそからし」とか「ねばる漬物こんぶ」とか「ベジぴっくる」とか…。首都圏では見たこともないようなものがズラリ。

「煮干しいわし」と「漬物用みそ」が並んでいるあたりも、おぬしデキるなと呟いてしまうわけです(笑)

■長野らしい売れ筋といえば?
せっかくなので、漬物以外の注目点をお店の方に聞くと、ニッコリ笑って案内された売り場が、長野というか信州名物というべき「おやき」コーナー。

これが結構種類があるもので、「野沢菜」、「かぼちゃ」、「なす」、「きんぴら」、「つぶあん」、「くるみ味噌」などなど、いったい何種類あるんだ? というほどの充実ぶりでした。

以前ご紹介した「塩(丸)イカ」もありましたし、「蜂の子」、「いなご甘露煮」あたりが揃っていました。

山国ならではの保存食。香り豊かな夏野菜と共に絶妙な和え物にする
ある夏の日。長野県出身の方の法事に参列した際、親族の方々と共に故人を偲んでお酒をいただいた。そこに並べられていたのがミョウガやきゅうりがアクセントの、絶妙な味わいのツマミでした。すすめられるままにひと口。 「な、なんだこれは! うまいじゃな...

そういえば、大昔に県内の伊那界隈を取材した時、地元の名物店で「ざざむし」とか出されてしまい、困惑したことを思い出します。

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