日本一のこんにゃく大好き県は〇〇県。玉〇〇と郷土料理が立役者!?

食文化

日本で一番こんにゃくを生産しているのは群馬県。都道府県別に見ても毎年90%前後のシェアを占めている、圧倒的なこんにゃく王国です。さぞかし県民はたっぷりこんにゃくを食べている……。

と、書きたいところですが、総務省統計局の家計調査(二人以上世帯・2020~2022年平均)によると、全国の県庁所在地と政令指定都市を足した52都市のランキングだと、購入金額は1578円で41位という驚きの下位グループ! 
じゃあ、上位はどこなのかというと、

(1)山形市 3311円
(2)青森市 2552円
(3)盛岡市 2151円

東北勢が占め、山形市が飛びぬけていることに驚かされます。なぜ山形なのでしょう?

■おやつ感覚で食べられる
山形名物玉こんにゃくを開発したメーカー、ヤマコン食品社長の長谷川晃一さんによると、山形では昔から煮物をよく作る習慣があり、こんにゃくが具材のかさ増しに適していたことが関係しているのではないか、との話がありました。

ヤマコン食品 長谷川晃一さん

明治時代になると、もっとこんにゃくを手軽に食べる手段として、同社の創業者が丸いこんにゃく=玉こんにゃくを開発。従来の平こんにゃくのように、手でちぎる必要がなく、煮て串に刺す食べ方が大流行。

1串分のこんにゃくは約30g×4=120g、一般的な平こんにゃく1袋の約半分の量になるため、おやつ感覚で食べているうちに圧倒的な消費量になったと思われます。お祭りやイベントなど、地元民が集まる場所には玉こんにゃく屋台が出て、1本100~150円ほどで売っている、県民にはとても身近な食べ物なので尚更です。

提供:ヤマコン食品

山形名物の芋煮も大きな影響があり、日本一の芋煮会で作る際の平こんにゃく比率は全具材の中の20%を占めています。ちなみに、同じく具材に欠かせないサトイモ、調味料の醤油、どちらも前出の家計調査を見ると、山形市が購入金額、数量共に1位。こんにゃく&芋煮への愛が伝わってきます。

日本一の芋煮会の様子 提供:ヤマコン食品

■山形のこんにゃくが白くて密度が濃い
ところで、山形のこんにゃくがなぜ白いのか知っていますか?

実は玉こんにゃくに限らず、山形では基本的に白、もしくは生芋が好まれる傾向が強く、これは東北地方全体の共通点なのです。関東などでよく見る、海藻類の入ったものは、ヤマコン食品では、特別な受注がない限り作らないそうです。

また、どのような形のこんにゃくでも、歯ごたえがあり、ガツンとした硬さがあるのも特長です。これはこんにゃく粉と水の倍率が影響していて、値段にも反映されます。

■おいしい玉こんにゃくの作り方
最後に、家庭でできるおいしい玉こんにゃくの作り方をご紹介します。

・最初にしっかり乾煎りして水分を飛ばす
・添付の醤油とダシ(スルメ)を入れて煮る
・よくからめたら、辛子をつけていただく

ぜひご家庭でもお試しください。午後のひと時、小腹が空いた時などにいい仕事しますよ。もし手に入るなら、調味料も地元のものを使ってみると、より本場の味になりますよ。別の記事ではそちらも取り上げる予定です。

協力:ヤマコン食品

ヤマコン食品さんは簡単で美味しい玉こんにゃくの作り方もyoutubeで公開しています。

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