炭火に滴り落ちる肉汁。煙が充満する店内。 行く時はラフな格好でね♪

食文化

うまいものは地元の人に聞け! 旅の鉄則である。

ある秋の日、北海道旭川市で取材を行い、終了したのは夜9時。達成感と共にお腹も空いていた。いつもなら、情報を集めてから町に繰り出し、美味しいものを探すのだけど、この日は取材相手の方々が地元の名物を食べに行きましょうと誘ってくれた。ありがたいことである。

ただ、その相手というのが住民の健康を守る立場の人たちで、女性の集団…。

ヘタするとオーガニックとかヘルシーなんて名が付くお店に連れて行かれるんじゃないかと少々ビビッっていたのです。昼は真面目に公衆衛生の話をしていても、夜くらいは地元の食で不健康に呑みたい僕としては、ちょっと身構えてました。

ところが、いざ出発ぅ! と皆で歩き出したら、どうも先ほどまでと違う服装の人たちがいる。みんなやけにラフな格好で、ワイワイと盛り上がっている。おっと、そこのお嬢さんはジャージじゃあーりませんか?

むむ、どんな店に行くというのだ? 高級レストランでないことだけは確かでした。

お店に着いた。炭火焼の文字が躍っていた。名前は「炭や」さん。

中に入った。

(・_・;)

店内、すごい煙です。目を細めて先客のテーブルを凝視すると、どこも七輪の上で肉がジュージュー焼かれています。圧巻です。

席に案内されると、女性たちは一斉に上着やバッグを配られたビニール袋に入れます。匂いと脂対策ですね、慣れたものです。

注文は女性たちにお任せした。すると、出てきたのは、どどどーんと盛られたホルモンちゃん! それもタレじゃなくて塩です。さーて、食いますかぁ! と皆でガンガン焼いていきます。

ふと気づけば、全員白ご飯まで頼み、左手にお椀、右手にお箸の体制。ビールもジョッキでグイグイ飲む。こりゃすごい!! 

僕はお客さん的な立場だったので、周囲の方々がどんどん焼いてくれるハーレム状態。「はーい焼きあがりましたよ」と、どんどん食わされた。

肉はコリッコリしていて、鮮度抜群。とてもうまい。気になるのでメニューをチラ見したら、1人前400円前後とかなり安い。ほな、遠慮なくーとガンガン行きます。

ちなみに、メニューを再度確認すると、肉の種類は豚13、鶏5、牛4、羊1と圧倒的に豚の勝利。このあたりは養豚が盛んなので、新鮮な豚肉が手に入ることが理由という。

後で調べたところ、北海道の豚飼養頭数は、全国3位(1位鹿児島、2位宮崎)。北海道というと、つい牛の姿を想像してしまうのだけど、冷涼な気候が暑がりの豚に合っていて、暑さで体力を消耗せず、病気による薬剤の使用も少ない傾向があるといいます。

つまり健康的で新鮮なわけで、ホルモン、サガリなんが絶妙です。途中で食べた冷麺も素晴らしかった。何より、この豪快さがいい。地元の女性たちが食らう姿も神々しかった。もぉ、調子に乗ってどんどん食べるしかない。楽しい夜はふけていったのです。

夜遅く、ホテルに戻ると、服に臭いがたっぷりしみついていました。もし、行く機会のある方は、店に入る前にラフな服に着替えることをオススメします。そして塩味がおいしいとはいえ、やっぱり調子に乗って食べていると、かなりの塩分を摂取してしまいます。

僕も翌朝、相当こたえました。でも、また行きたい♪

画像や価格は2008年のものですが、現在も少し上がった程度のようです。

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