小さなサバを茹でただけ。なのに絶妙にうまい春の味覚

食文化

寒風吹きすさぶ3月のある日。高知県高知市の日曜市をぶらぶら見ていた。何度か来ているので売っているものも大体分かっていたつもりですが、この日はひとつのものが気になっていました。


干物を扱うお店で、ちりめんやカチリの中に、見慣れないものを発見したのです。気になってじっくり見ていたら、店の兄ちゃんがひとすくいして試食を促してくれました。

「うん?」

持った感じからしてちょっと生っぽい。しっとりした干物というか何というか、不思議に思いつつ食べてみたら、とっても優しい塩味にほのかな魚の旨味。これなーに? 返ってきた答は「さばこ」。

もう一度聞き直したら読んで字の如く鯖の子どもだからサバ子というらしい。なるほど、確かにサバの模様が入っています。オモロイねー。

「さっと茹でてあるきに、そのまま食べるのがおいしいよー」

勧められるままにごそっと買い込みました。帰京して夕食に改めて出してみると、なるほど、こりゃイケます。しっとりしていて薄味に思えるんだが、日本酒の友として抜群の力を発揮してくれます。何より、サバを丸ごと食べるっちゅうのがいいじゃないですか!

大きさによりますが、近年は100g、300~400円あたりが相場のようです。

試しに自分でさらに天日干ししてみたら、そちらもなかなか! こりゃ、癖になりそうです。

サバ子は単品のほか、小さなじゃこを買うと、中に数匹入っていることもあります。姿形、味ともにイワシと違うのですぐに気づくと思いますよ。

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