海なし県だからこそ、海にこだわり、あの高級品が名物になった

食文化

2005年、塩山市、勝沼町、大和村が合併してできたのが人口約3万人の甲州市。JR中央本線や中央自動車道により都心とのアクセスがよい割に、自然がいっぱいの観光地でもあります。

酒呑み的に気になるのは、市のシンボル的存在であるぶどうの丘です。甲州市推奨の約200銘柄、約2万本のワインが揃う地下ワインカーヴでは試飲(有料)もできるし、甲府盆地や南アルプスを見渡す高台に建っているので眺めの良さは格別。宿泊施設やワインレストラン、温泉もあって、ここだけで十分に楽しめます。

■静岡ゆかりの品が目立つ
と、観光案内はこれくらいにして、早速行ってみましょう、地元スーパー。今回は甲府市に本社を構える、オギノさんの甲州店を訪問。7月のある日、お店に入り、真っ先に目のついたのは、特設コーナーに設けられた「あべ川もち」でした。

あべ川もちって、あの安倍川もち(静岡)だよね。なんでこんな時期に大々的に売っているのだろう。ハテナマークいっぱいで店長さんに聞くと、どうやら、甲州では昔からお盆にあべ川もちを供えるのが習慣なのだとか。しかも、きなこに黒蜜の組合せが定番らしく、のし餅まで「あべ川」の名が付いていたのは驚きました。

さらに驚いたのは、甲州名産、あわびの「煮貝」。噂には聞いていたのですよ、海なし県なのに海の幸が名物だっていう話はね。しかも、かなりお高いもののようで、7月という時期からお中元用として選ぶ人もいるとか。

農林水産省のHPによると、駿河湾でとれたアワビをそのまま運ぶとダメにしてしまうので、醤油漬けにして木の樽に詰めて運んだところ、馬の体温と揺れでほどよく熟成され、甲府に着くころにおいしくなり、甲州名物になったとの説が紹介されていました。

■麺も大好き。ほうとうはさすがの品揃え
もちろん、甲州ならではの産物もしっかり並んでいましたよ。ベタなところでは、麺売場のほうとうが納得の品揃え。ほうとうの他、うどんの種類も多く、麺を好む地域だということが伝わってきます。

店長さんによると、ダシ用の煮干や削り節も大量に売れるようで、売り場が充実していました。

■ワインは一升瓶でも提供
ぶどうの丘が観光地になっていることから想像がつくように、酒売り場にはワインがズラリ並んでいます。一般のスーパーでは見ない地元銘柄が多いので、見ているだけで楽しくなります。

生産地ならではの一升瓶入りワインもしっかりありました。地元消費用って感じが出ていて微笑ましいです。

そうそう、甲州といえば桃も有名で6月から収穫期に入ります。訪れたのが7月なので、大きく形の良いものがありました。

協力:オギノ甲州店
画像は2008年7月のものです。

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