ブナ北限の町として知られる北海道黒松内町で取材を終えると、時刻はすでに15時を過ぎていました。次の取材先、長万部での約束は夕方18時。時間はたっぷりある。実は朝からおにぎり1個しか食べていなくて、猛烈に腹が減っていた。
町内で何か食べる場所はないかと探したけれど、時間が時間だけに今ひとつ見つからない。そこでカーナビを駆使して周囲を探していたら、道の駅くろまつないの文字を見つけた。
少し離れているが時間はある。まぁ、行けば何かあるだろうとレンタカーで向かうと、軽食を食べることができるようだ。ファーストフードのようにカウンターで注文すれば席まで持って来てくれるらしい。
どれどれ? あまり期待をせずにメニューをチェックするとパスタやバーガーがメイン。カウンターの子も中の厨房の子もバイトみたいな感じだったし、まぁ腹が膨れればいいかとテキトーにカルボナーラとハムのバーガーを注文した。
待つこと数分。運ばれてきたものをみてちょいと唸ってしまった。
なんだか、とってもオ・イ・シ・ソ・ウ
よく見るとカルボナーラには大きなベーコンの固まりがゴロンと入っているし、黒胡椒も美しく散りばめられている。むむ! ひと口…。
こ、こっりゃぁ、うまかっ!
テキトーに頼んだせいか、そのギャップに自分で驚きました。チーズは濃厚なのに口当たりがいい。それじゃバーガーはどうだ? ガブリといくと、これまたハムがいい味しているではないか。そしてパンもうまい。
まいった、まいったなー、まいったよ!
こんな場所でこんな味に出会えるなんて、なんだかとても嬉しくなってガッツいてしまいました。
お腹が膨れたところで、あらためてこの店をチェックすると、ここはベーカーリーレストランらしく、店の名前はtoit vert Ⅱ(トワ・ヴェール・ドゥー)。町の特産品手作り加工センター「トワ・ヴェール」の製品とパン工房の製品を合わせたメニューが自慢でした。
レストランとしてはもちろん、チーズ、ハム、ウインナ-、アイスクリームなどの特産品販売も行っています。パン工房も併設されていて、できたてのパンが買えるのも強み。レストランのバーガー類もここのパンを使っていました。
カルボナーラとバーガーで1000円くらい。この味なら納得を越して感動のお値段です。
*加工センターのトワ・ヴェールは道の駅とは別の場所にある。名前はフランス語で「緑の屋根」という意味。行ってみたら、なるほど、緑の屋根でした。
画像や価格は2007年、徳間書店「週刊アサヒ芸能」取材時