鹿児島でのんびり観光するなら2つのフェリーを乗りこなしたい

乗り物

■いつでも気軽に往復できる
鹿児島に行くと、用もないのに乗りたくなるのが桜島フェリーです。この船は鹿児島市船舶局が運営し、鹿児島港と対岸の桜島港の約3.4㎞を15分で結んでいます。

運行はなんと、24時間体制。日中なら1時間あたり4~5往復。待ち時間はほとんどなく乗ることができ、乗船料は大人200円。なぜこんなに安くて便利なのかというと、同じ行き来を陸路で移動すると約80㎞にもなってしまうから。

つまり、市民の足として重要であり、鹿児島市街から桜島観光の足としても利用価値大。時間はあまりないけれど、「錦江湾で船に乗り、のんびり桜島でも眺めたい」なんて観光客にもうってつけなのです。

■短い距離でも食事処あり
就航している船は思いのほか大きく、定員600~700名クラス。短い距離でもどっしりした大型船なのが旅心をくすぐります。トイレや授乳室、売店があるし、船旅お約束のうどん・そばコーナーも営業しています。

運営を担当しているのは、昭和27年創業のやぶ金。鹿児島市民なら誰もが知るお店で、かけうどんは少し平たい生麺につけ揚げ、天かす、ネギ入りで500円。かけなのにいろいろ入っているのが鹿児島流なのでしょうね。でも、乗船時間が短いので、乗ったらすぐに注文して食べる方がいいですよ。

■実はスゴイ技術の電気推進船
船マニアならではの見どころもあります。それは、運行している5隻のうち、2隻が最新の技術を搭載した電気推進船「スーパーエコシップ」だということ。従来のエンジン動力を直接プロペラに伝えるのではなく、発電機で作ったで電力を直接プロペラに伝える仕組みが採用されているのです。

プロペラは二重反転プロペラ(全旋回電動二重反転式ポッド推進器)と呼ばれる構造で、前後にそれぞれひとつずつ。船尾と船首に操舵室があるため、離岸、接岸の際に余計な方向転換は不要。騒音も少なく、燃費効率も大幅に向上させるハイテク船なのです。

船により座席の新旧に差が出るものの、船内の居心地はとても良く、地元の利用客が多い分、船首や船尾の展望席やデッキに出て潮風を堪能している人は少なめに思えました。

■ゆっくり船旅を楽しみたいなら垂水フェリー
のんびり船旅を楽しみたいなら、垂水フェリーがおススメです。民間のいわさきコーポレーションが運営し、鹿児島市鴨池港と垂水市垂水港の約15㎞を40~45分結んでいます。

こちらも同じ2点を陸路移動すると約85㎞の距離があり、利用価値がとても高い航路です。船は定員700人ほどの規模があり、船体のカラーリングはグリーン系。運航ダイヤは早朝5時台から21時台までの1日20往復以上。乗船料は大人片道500円。

観光より通勤・通学など地元の足の色合いが濃く、車の航送利用が多いようです。

■系列ホテルのスープが決め手、名物南海うどん
乗船時間が長い分、食事もゆっくりできます。名物は南海うどん。出汁は系列のいわさきホテルズのオリジナル醤油を生かしたもので、かつお節など4種の素材から引き出しています。

僕がオススメしたいのは、大きなおあげと練り物が乗った、きつねうどん(540円)。サイドメニューとして、おにぎりやいなり、コーヒー。変わったところでは、おしゃれな焼き芋「La.ヤキイモ」(150円)も人気でした。

■桜島の眺めは抜群にいい
観光で乗るなら桜島の眺めが気になります。その点、垂水フェリーは桜島の南側を通るため、船の左右にその雄姿をたっぷり堪能することができ、桜島フェリーよりもいい眺めが期待できます。

ちなみに、桜島の噴火は日常茶飯事でして、鹿児島地方気象台のデータによると、2022年度の中規模以上の(爆発的)噴火だけでも235回。最近は少し回数が減っているようで、2011年には1355回を数えたこともあります。

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